「1V(ボルト)って、どれくらいの電気の強さ?」
スマホの充電や乾電池、家庭のコンセントまで――すべて“V”で表されます。
でもこの「V=電圧」が何を意味するか、意外と知られていません。
結論から言うと――
1V=1ジュール(J)のエネルギーで、1クーロン(C)の電気を動かす力
つまり、電子を押し出す“電気の圧力”です。
🧭 この記事でわかること
- 1Vの正確な定義と物理的意味
- 電圧・電流・抵抗の関係(オームの法則)
- 家電・充電・電池の電圧比較
- 安全電圧と感電ラインの目安
🕒 読了目安:3分
📎 関連記事:1A(アンペア)はどれくらい? / 1W(ワット)はどれくらい?
💡 1V(ボルト)とは?基本定義
1V(ボルト)=1ジュールのエネルギーで1クーロンの電荷を動かす電位差。
電気の“押し出す力(圧力)”を表す単位です。
項目 | 内容 |
---|---|
単位 | V(ボルト) |
定義式 | 1V=1J/1C(1ジュール/クーロン) |
意味 | 電気を流そうとする力の大きさ |
例え | 水道の水圧=高いほど水が強く流れる |
⚡ 電圧が高いほど、電流を強く流せる(同じ抵抗なら)。
⚙️ 電圧・電流・抵抗の関係(オームの法則)
V=I×R
記号 | 意味 | 単位 | 例 |
---|---|---|---|
V | 電圧 | ボルト(V) | 押し出す力 |
I | 電流 | アンペア(A) | 流れる量 |
R | 抵抗 | オーム(Ω) | 流れにくさ |
例:抵抗10Ωの回路に1A流すには、
V=I×R=1A×10Ω=10V が必要。
💬 電圧=電流を押し出す力。
電流を“水の量”、電圧を“水の圧力”、抵抗を“ホースの細さ”にたとえると理解しやすいです。
🔋 身近な電圧の例
機器・用途 | 電圧 | 備考 |
---|---|---|
乾電池(単1〜単4) | 1.5V | 小型家電・リモコンなど |
ボタン電池(CR2032など) | 3V | 時計・リモコンキー |
USB(スマホ充電) | 5V | 標準USB電圧 |
急速充電(USB-PD) | 9〜20V | 高速充電用 |
家庭用コンセント(日本) | 100V | 家電一般 |
エアコン・IH用コンセント | 200V | 高出力家電 |
電車架線(交流) | 約20,000V | 高圧供給 |
送電線 | 66,000〜500,000V | 超高圧送電 |
🔌 1.5V乾電池 → 弱い力で電子を押す
⚡ 100Vコンセント → 強い力で押す
という感覚。
🧍♂️ 安全電圧と感電の目安
状況 | 電圧 | 危険度 |
---|---|---|
1.5V〜12V | 安全 | 感電の心配ほぼなし |
24V〜48V | 弱電 | 水濡れ時は注意 |
100V(家庭用) | 要注意 | 感電でビリッと感じる |
200V以上 | 危険 | 火傷・心停止リスクあり |
1,000V以上 | 高圧 | 感電即死レベル |
⚠️ 電流(A)が流れないと危険は少ないが、
高電圧は皮膚を破って電流を流す力があるため、注意が必要です。
📊 電圧と電力の関係(W=V×A)
電圧(V)× 電流(A)= 電力(W)
機器 | 電圧 | 電流 | 電力(W) | 備考 |
---|---|---|---|---|
スマホ充電器 | 5V | 2A | 10W | 急速充電対応 |
ノートPC | 19V | 3A | 57W | ACアダプタ |
家庭用ドライヤー | 100V | 12A | 1200W | 一般家庭限界近く |
IHクッキングヒーター | 200V | 15A | 3000W | 専用回路必要 |
電気自動車充電器 | 200V | 30A | 6000W | 高出力機器 |
💡 電圧が上がると、同じ電力を流すのに必要な電流が減るため、
送電では高電圧が使われます(効率アップ)。
🌐 直流(DC)と交流(AC)の違い
種類 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
直流(DC) | 一方向に流れる | 電池・モバイル機器・車載電源 |
交流(AC) | 向きを周期的に変える | 家庭電源・送電線 |
家庭電源の交流は「50Hz/60Hz」で極性が1秒に50〜60回反転します。
この“周波数”が、電気のリズムを決めるHz(ヘルツ)です。
✅ まとめ:1Vを感覚でつかもう
要点 | 内容 |
---|---|
定義 | 1V=1Jのエネルギーで1Cの電荷を動かす力 |
たとえ | 水圧=電圧、流量=電流、ホースの細さ=抵抗 |
家電例 | 乾電池1.5V/USB5V/家庭用100V/IH200V |
安全電圧 | 24V以下は安全域、100V以上は注意 |
式 | V=I×R/W=V×A |
結論:1V=電子を押し出す力の単位
乾電池の1.5Vから送電線の50万Vまで、すべてはこの「電圧の強さ」で世界が動いています。