ゲームの販売実績を紹介するニュースで見かける「世界累計100万本突破」。
100万本が大ヒットであることは分かりますが、実際の売上はいくらになり、ゲームメーカーにはどれくらいのお金が残るのでしょうか。
ゲーム1本の平均販売価格を7,000円として計算すると、100万本の店頭売上は約70億円です。
ただし、70億円の全額がメーカーの利益になるわけではありません。
この記事の結論
- 1本7,000円なら100万本の店頭売上は約70億円
- 1本5,000円なら約50億円
- 1本1万円なら約100億円
- 売上から販売店、流通、配信手数料などが差し引かれる
- 売上の70%がメーカー側に残る仮定なら約49億円
- そこから開発費・広告費などを差し引いた残りが利益
- 開発・広告費20億円なら、単純な差額は約29億円
- セール価格や販売地域によって実際の売上は変わる
※この記事の売上や利益は、一定の条件を置いたモデル計算です。特定のゲームや企業の実際の収益を示すものではありません。
ゲーム100万本の売上を早見表で確認
| 換算するもの | 試算結果 | 計算条件 |
|---|---|---|
| 店頭売上 | 約70億円 | 平均価格7,000円 |
| 平均価格5,000円の場合 | 約50億円 | 5,000円×100万本 |
| 平均価格1万円の場合 | 約100億円 | 1万円×100万本 |
| メーカー側に残る金額 | 約49億円 | 売上の70%と仮定 |
| 開発・広告費20億円後 | 約29億円 | 49億円-20億円 |
| 日本人口との比較 | 約123人に1本 | 人口約1億2,300万人 |
| パッケージを積んだ高さ | 約12km | 1本の厚さ1.2cm |
| パッケージの重さ | 約100トン | 1本100g |
メーカー側に70%残るという割合は、仕組みを説明するための仮定です。
実際には、販売形態、プラットフォーム、地域、契約、セール価格などで変わります。
ゲーム100万本の売上は約70億円
ゲームの売上規模は、次の式で試算できます。
平均販売価格×販売本数
平均販売価格7,000円、販売本数100万本なら、
7,000円×100万本=70億円
です。
| 1本の平均販売価格 | 100万本の店頭売上 |
|---|---|
| 1,000円 | 約10億円 |
| 2,000円 | 約20億円 |
| 3,000円 | 約30億円 |
| 5,000円 | 約50億円 |
| 7,000円 | 約70億円 |
| 8,000円 | 約80億円 |
| 1万円 | 約100億円 |
同じ100万本でも、平均販売価格1,000円と1万円では、売上に10倍の差が出ます。
そのため、「100万本売れた」という情報だけでは、正確な売上は分かりません。
定価、セール価格、地域別価格などを含めた実際の平均販売価格が重要です。
同じ100万という数字でも、定価1,000円の本なら店頭売上は約10億円です。ゲームを平均7,000円とすると約70億円になるため、商品単価によって売上規模は大きく変わります。
関連記事:本が100万部売れたら印税はいくら?価格・印税率別に計算
70億円がそのままメーカーの利益ではない
平均価格7,000円で100万本売れた場合、消費者が支払った金額の合計は約70億円です。
ただし、その全額がゲームメーカーへ入るわけではありません。
パッケージ版では、主に次の費用や取り分が関係します。
- 販売店の取り分
- 卸売や流通
- ゲームカードやディスクの製造
- ケースや印刷物
- 倉庫や配送
- 値下げや在庫のリスク
ダウンロード版でも、売上の全額がメーカーへ入るわけではありません。
- 配信プラットフォームの手数料
- 決済手数料
- データ配信
- サーバー運用
- カスタマーサポート
- アップデート対応
元記事にもあるとおり、パッケージ版とダウンロード版では、発生する費用の種類が異なります。
メーカー側に残る金額はいくら?
平均販売価格7,000円、売上70億円から、販売・配信などに関係する取り分を差し引いてみます。
| 売上から差し引かれる割合 | 差し引かれる金額 | メーカー側に残る金額 |
|---|---|---|
| 20% | 14億円 | 56億円 |
| 30% | 21億円 | 49億円 |
| 40% | 28億円 | 42億円 |
| 50% | 35億円 | 35億円 |
仮に、販売や配信に関係する控除が30%なら、
70億円×70%=49億円
がメーカー側へ残る計算です。
ただし、この49億円も最終的な利益ではありません。
ここからゲームを作るための開発費、広告費、発売後の運営費などを差し引きます。
ゲーム100万本で利益はいくら?
ここでは、次の条件で試算します。
- 平均販売価格:7,000円
- 100万本の店頭売上:70億円
- メーカー側に残る割合:70%
- メーカー側に残る金額:49億円
この49億円から開発費や広告費を差し引きます。
| 開発・広告などの費用 | 49億円から差し引いた金額 |
|---|---|
| 5億円 | 約44億円 |
| 10億円 | 約39億円 |
| 20億円 | 約29億円 |
| 30億円 | 約19億円 |
| 40億円 | 約9億円 |
| 49億円 | 0円 |
| 60億円 | 約11億円不足 |
開発費と広告費の合計が20億円なら、
49億円-20億円=29億円
です。
ただし、約29億円がそのまま会社の最終的な純利益になるとは限りません。
会社全体の人件費、設備費、借入金、税金、他プロジェクトの費用なども関係します。
この記事では、ゲーム単体の収益構造を単純化した差額として扱います。
パッケージ版とダウンロード版の違い
パッケージ版
パッケージ版では、実物の商品を作って店舗へ届ける必要があります。
主に次の費用が発生します。
- ディスクやゲームカード
- ケースや説明書
- 梱包
- 倉庫
- 物流
- 販売店の取り分
- 売れ残りや値下げ
店頭価格が7,000円でも、メーカーの収入は卸価格などを基準に計算される場合があります。
ダウンロード版
ダウンロード版には、ディスクやケースの製造費、店舗への物流費がありません。
そのため、条件によってはパッケージ版よりメーカー側に残る割合が高くなる可能性があります。
ただし、次の費用はかかります。
- プラットフォーム手数料
- 決済手数料
- 配信システム
- サーバー費
- サポート
- アップデート
したがって、
ダウンロード版なら売上の全額がメーカーへ入る
というわけではありません。
100万本売れても赤字になる?
100万本売れても、赤字になる可能性はあります。
たとえば、平均販売価格が低かったり、セール販売が多かったりすると、売上は小さくなります。
定価7,000円のゲームでも、平均販売価格が3,500円なら、
3,500円×100万本=35億円
です。
| 平均販売価格 | 100万本の売上 |
|---|---|
| 7,000円 | 70億円 |
| 5,000円 | 50億円 |
| 3,500円 | 35億円 |
| 2,000円 | 20億円 |
| 1,000円 | 10億円 |
100万本という販売本数が同じでも、定価中心で売れた場合と、長期間のセールで売れた場合では収益が大きく異なります。
また、開発費や広告費が50億円、100億円と非常に高い大型作品では、100万本販売しても費用を回収できない可能性があります。
損益分岐点は何本?
1本あたりメーカー側に残る金額が分かれば、開発費を回収するために必要な販売本数を試算できます。
平均価格7,000円で、その70%にあたる4,900円がメーカー側へ残ると仮定します。
7,000円×70%=1本あたり4,900円
| 回収したい開発・広告費 | 必要な販売本数 |
|---|---|
| 1億円 | 約2万400本 |
| 5億円 | 約10万2,000本 |
| 10億円 | 約20万4,000本 |
| 20億円 | 約40万8,000本 |
| 30億円 | 約61万2,000本 |
| 50億円 | 約102万本 |
| 100億円 | 約204万1,000本 |
開発・広告費が30億円なら、この条件では約61万2,000本が回収ラインです。
ただし、1本4,900円が残るという前提は説明用です。
実際の損益分岐点は、販売価格、プラットフォーム、販売地域、セール率、パッケージとダウンロードの割合によって変わります。
無料ゲーム100万ダウンロードとは違う
有料ゲーム100万本と、無料ゲーム100万ダウンロードは同じではありません。
有料ゲームは購入時に料金が発生するため、販売価格から売上を試算できます。
一方、基本無料ゲームはダウンロード時点で売上が発生しないことがあります。
収益を計算するには、次の数字が必要です。
- 課金者の割合
- 1人あたりの平均課金額
- 広告収入
- 継続率
- 月間利用者数
そのため、無料ゲームが100万ダウンロードされても、ダウンロード数だけでは売上を計算できません。
日本人口では約123人に1本
日本人口を約1億2,300万人として計算すると、
1億2,300万人÷100万本=約123人
です。
ゲーム100万本は、日本人約123人に1本が行き渡る規模になります。
人口に対する割合では約0.81%です。
ただし、同じ人が複数の機種版を購入したり、1本を家族で共有したりするため、100万本がそのまま100万人の購入者を表すとは限りません。
パッケージ100万本を積むと約12km
ゲームケース1本の厚さを約1.2cmとして、100万本を積み上げます。
100万本×1.2cm=12km
重さを1本約100gとすると、
100万本×100g=100トン
です。
| パッケージ100万本 | 規模 |
|---|---|
| 積み上げた高さ | 約12km |
| 総重量 | 約100トン |
| 10トントラック換算 | 約10台分 |
約12kmは、一般的な旅客機が飛ぶ高度に近い規模です。
ゲーム機の種類やパッケージの付属品によって、厚さや重さは異なります。
ゲーム100万本についてのよくある質問
ゲームが100万本売れたら売上はいくらですか?
平均価格7,000円なら、単純計算で約70億円です。
平均5,000円なら約50億円、1万円なら約100億円になります。
ゲームが平均1万円で100万本売れると、店頭売上は約100億円です。映画の興行収入100億円が観客何人分になるかは、次の記事で比較しています。
関連記事:映画の興行収入100億円はどれくらい?観客数・配給収入・利益を計算
70億円がそのままメーカーの利益ですか?
違います。
販売店、流通、製造、配信プラットフォームなどに関係する費用や取り分があります。
さらに、開発費や広告費などを差し引く必要があります。
ダウンロード版のほうが利益は大きいですか?
パッケージの製造費や物流費がないため、条件によってはメーカー側に残る割合が高くなる可能性があります。
ただし、配信プラットフォームの手数料やサーバー費用などがあります。
100万本売れても赤字になりますか?
可能性はあります。
平均販売価格が低い場合や、開発費・広告費が非常に高い場合は、100万本でも費用を回収できないことがあります。
無料ゲーム100万ダウンロードの売上はいくらですか?
ダウンロード数だけでは分かりません。
課金率、平均課金額、広告収入、継続率などが必要です。
無料ゲームは、ダウンロード数だけでは売上を計算できません。広告収入については、再生数とRPMを使って試算するYouTubeの記事も参考になります。
関連記事:YouTube1億回再生の収益はいくら?RPM別に広告収入を計算
セール販売も100万本に含まれますか?
累計販売本数には、値引きやセールで販売された本数が含まれる場合があります。
そのため、販売本数だけでは正確な売上を判断できません。
まとめ:ゲーム100万本は売上70億円規模
ゲームが100万本売れた場合、平均販売価格7,000円なら、店頭売上は約70億円です。
主な試算結果は次のとおりです。
- 平均価格1,000円なら約10億円
- 平均価格5,000円なら約50億円
- 平均価格7,000円なら約70億円
- 平均価格1万円なら約100億円
- 売上の70%がメーカー側へ残る仮定なら約49億円
- 開発・広告費20億円なら差額は約29億円
- 日本人口では約123人に1本
- パッケージを積むと約12km
- 重さは約100トン
ただし、売上70億円の全額がゲームメーカーの利益になるわけではありません。
パッケージ版では販売店、流通、製造など、ダウンロード版ではプラットフォーム手数料などが関係します。
さらに、ゲームの収益性は次の条件で大きく変わります。
- 実際の平均販売価格
- 定価販売とセール販売の割合
- パッケージ版とダウンロード版の割合
- プラットフォーム手数料
- 開発費
- 広告費
- 発売後の運営費
- 海外販売や為替
100万本という販売本数だけでなく、1本あたりいくらで売れ、メーカー側にいくら残ったかを見ることが重要です。
計算条件
- 代表的な平均販売価格:7,000円
- 販売本数:100万本
- メーカー側に残る割合:70%と仮定
- 日本人口:約1億2,300万人
- ゲームケースの厚さ:約1.2cm
- ゲームケースの重さ:約100g
※販売価格、プラットフォーム手数料、製造・流通費、開発費、広告費などは作品や販売地域によって異なります。本記事の売上、利益、損益分岐点は、100万本の規模を理解するためのモデル計算です。
