絶対湿度と相対湿度は、どちらも空気中の水蒸気の量に関係する数字ですが、表しているものが違います。
絶対湿度は「空気1m³に実際にどれくらい水蒸気が含まれているか」をg/m³で表したもの、相対湿度は「その温度で含むことのできる最大量に対して、何%の水蒸気が含まれているか」を%で表したものと考えると分かりやすくなります。
たとえば、15℃の空気1m³に6.4gの水蒸気が含まれている場合、その温度での飽和水蒸気量が12.8gなら、相対湿度は50%です。
つまり、g/m³と%は直接同じものに換算できる数字ではありません。
相対湿度を考えるときは、温度によって変わる「飽和水蒸気量」も関係します。
絶対湿度と相対湿度は何が違う?
大きな違いは、「実際の水蒸気量を見るのか」「その温度での最大量と比べるのか」です。
絶対湿度は、空気1m³あたりに含まれている水蒸気の質量をg/m³で表します。
たとえば「6g/m³」なら、空気1m³の中に約6gの水蒸気が含まれているという意味です。
相対湿度は、実際に含まれている水蒸気量を、その温度で空気が含むことのできる最大量で割って、%で表します。
気象庁も、相対湿度について「実際に含まれている水蒸気」と、その温度での「飽和水蒸気量」の比を百分率で表すものと説明しています。
| 項目 | 絶対湿度 | 相対湿度 |
|---|---|---|
| 表すもの | 実際の水蒸気量 | 最大量に対する割合 |
| 主な単位 | g/m³ | % |
| 見るポイント | 空気中に何gあるか | 最大量の何%か |
| 温度との関係 | 水蒸気量そのものを見る | 温度によって最大量が変わる |
g/m³と%は同じ湿度を表す数字ではない
「6.4g/m³」と「50%」は、数字だけを見ると全く違いますが、同じ空気の状態を別の角度から表せる場合があります。
気象庁の例では、15℃のとき、空気1m³に6.4gの水蒸気が含まれていて、その温度での飽和水蒸気量が12.8gの場合、次の計算で相対湿度を求められます。
6.4g ÷ 12.8g × 100 = 50%
この場合は、絶対湿度にあたる水蒸気量が6.4g/m³、相対湿度が50%です。
したがって、「g/m³を%に変える」という単純な換算ではなく、温度に応じた飽和水蒸気量との割合を計算していると考えるのがポイントです。
相対湿度50%でも絶対湿度は温度で変わる
相対湿度が同じ50%でも、温度が違えば空気中に含まれる水蒸気量は同じとは限りません。
気温が高いほど、空気1m³が含むことのできる水蒸気の最大量である飽和水蒸気量は大きくなります。
| 気温 | 飽和水蒸気量の目安 | 相対湿度50%の場合の水蒸気量の目安 |
|---|---|---|
| 10℃ | 約9.3g/m³ | 約4.7g/m³ |
| 15℃ | 約12.8g/m³ | 約6.4g/m³ |
| 20℃ | 約17.2g/m³ | 約8.6g/m³ |
上の数値は、気象庁が示している温度ごとの飽和水蒸気量をもとにした目安です。
たとえば10℃で相対湿度50%なら水蒸気量は約4.7g/m³ですが、20℃で50%なら約8.6g/m³です。
つまり、「湿度50%」だけでは、空気中に実際に何gの水蒸気があるのかまでは決まりません。温度も合わせて見る必要があります。
絶対湿度が同じでも相対湿度は変わる
反対に、空気中の水蒸気量が同じでも、温度が変われば相対湿度は変化します。
たとえば、水蒸気量が約6.4g/m³だったとします。
15℃では飽和水蒸気量が約12.8g/m³なので、
6.4 ÷ 12.8 × 100 = 50%
となります。
一方、20℃では飽和水蒸気量が約17.2g/m³なので、同じ6.4g/m³でも、
6.4 ÷ 17.2 × 100 ≒ 37%
となります。
このように、空気中の水蒸気量が同じでも、温度が変わると相対湿度は変わります。
絶対湿度と相対湿度を計算するときの式
相対湿度を求める基本的な考え方は、実際の水蒸気量を飽和水蒸気量と比べることです。
相対湿度(%)=実際の水蒸気量(g/m³)÷飽和水蒸気量(g/m³)×100
たとえば、15℃で水蒸気量が6.4g/m³、飽和水蒸気量が12.8g/m³なら、
6.4 ÷ 12.8 × 100 = 50%
となります。
逆に、相対湿度から実際の水蒸気量を求める場合は、
実際の水蒸気量(g/m³)=飽和水蒸気量(g/m³)×相対湿度(%)÷100
と考えられます。
絶対湿度と相対湿度の違いを数字で比較すると?
2つの数字の違いを簡単に整理すると、次のようになります。
| 表示 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| 4g/m³ | 空気1m³に水蒸気が約4g | 実際の水蒸気量 |
| 8g/m³ | 空気1m³に水蒸気が約8g | 実際の水蒸気量 |
| 30% | 飽和水蒸気量の30% | 最大量との割合 |
| 50% | 飽和水蒸気量の50% | 最大量との割合 |
| 80% | 飽和水蒸気量の80% | 最大量との割合 |
ここで重要なのは、「8g/m³だから80%」のように、数字をそのまま対応させることはできないという点です。
相対湿度を求めるには、その温度での飽和水蒸気量が必要になります。
絶対湿度と相対湿度の違いを一言でいうと?
絶対湿度と相対湿度の違いは、次のように覚えると分かりやすくなります。
絶対湿度=空気の中に実際に何gの水蒸気があるか
相対湿度=その温度で入る最大量のうち何%入っているか
つまり、絶対湿度は「量」、相対湿度は「割合」に注目した数字です。
また、相対湿度は温度によって飽和水蒸気量が変わるため、同じ50%でも実際の水蒸気量が同じとは限りません。
まとめ
絶対湿度と相対湿度は、どちらも空気中の水蒸気に関係する数字ですが、意味と単位が異なります。
- 絶対湿度は、空気1m³あたりの実際の水蒸気量をg/m³で表す
- 相対湿度は、その温度での飽和水蒸気量に対する割合を%で表す
- g/m³と%は直接1対1で換算できない
- 相対湿度を考えるには温度と飽和水蒸気量が関係する
- 同じ50%でも、温度が違えば実際の水蒸気量は変わる
「g/m³」は実際の水蒸気量、「%」はその温度での最大量に対する割合、と分けて考えると、絶対湿度と相対湿度の違いを整理しやすくなります。
